
物件タイプ別ガイド
マンション
マンションとは、3階建て以上の集合住宅を指し、鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造などの耐火構造が特徴です。マンションと似た言葉にアパートがありますが、法律上は明確な違いはありません。
一般的には、木造や軽量鉄骨造の2階建て、あるいは3階建てまでの共同住宅をアパート、鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造で3階以上の高さがある共同住宅をマンションと呼ぶことが多いです。
特徴
マンションの特徴は次の通りです。
- 耐火構造で、火事や地震に耐性がある
- 耐震性や耐火性、遮音性に優れている
- 区分所有されるものを「分譲マンション」、賃貸されるものを「賃貸マンション」と分類することもある
- 住人(所有者)は、所有権の視点から見ると、「区分所有権者」と呼ばれる
メリットとデメリット
メリット
マンションのメリットには、次のようなものがあります。
- 好立地で利便性が良い
- セキュリティや防災設備が充実している
- 共用設備が充実している
- ワンフロアで家事導線がスムーズ、バリアフリー
- ライフスタイルに合わせて住み替えがしやすい
- 資産として保有できる
- 気密性・断熱性が高い
- 眺望や採光が良い
- 耐用年数が長い
- 維持管理の負担が少ない
デメリット
一方、次のようなデメリットもあります。
- 戸建てに比べて狭い
- 管理費や修繕積立金、駐車場代等がかかる
- 上下左右に住戸があり、生活音が気になる
- 駐車場が十分に確保できない
- 購入時にまとまった資金が必要になる
- 転居しづらい
- 管理規約の制限がある
- 音やプライバシーのトラブルが起きやすい
- リフォーム、リノベーションに制限の可能性あり
マンションの種類
マンションには、規模や高さ、用途、構造などによって様々な種類があります。
1. 規模による種類
- 小規模マンション:総戸数が50戸程度まで
- 中規模マンション:総戸数が50戸以上100戸未満
- 大規模マンション:総戸数が100戸以上
- メガマンション:総戸数が500戸を超えるなど大規模なマンション
2. 高さによる種類
- 低層マンション:地上4階建て程度まで
- タワーマンション:地上20階建て以上の高層マンション
- 超高層マンション:地上60メートル以上(地上20階建て以上)の高さのマンション
3. 用途による種類
- ファミリー向けマンション:家族向けに広く間取りが取られたマンション
- 単身者向けマンション:1人暮らしを想定し、1LDKまでのコンパクトな間取り
- マンスリーマンションやウイークリーマンション:月単位や週単位で貸し出すマンション
4. 構造による種類
- 鉄筋コンクリート造 (RC造):耐震性、耐火性に優れ、高層マンションに多く用いられる
- 鉄骨鉄筋コンクリート造 (SRC造):鉄筋コンクリート造よりもさらに強度が高く、高層マンションや高層ビルに用いられる
- 木造(W造):アパートに多く見られますが、近年では2階建て程度のマンションでも採用されることがある
- 軽量鉄骨造(S造):アパートや低層マンションに多く用いられます。
マンションの比較
新築マンション
新築マンションとは、建物が完成してから1年未満で、誰も住んだことのないマンションです。
メリット
新築マンションのメリットとしては、次のようなものがあります。
- 最新の設備が整っている
- 耐震性や水害対策などの備えがされている
- 共用施設が充実している
- 税制面で中古よりも有利な場合がある
デメリット
一方、デメリットとしては、次のようなものがあります。
- 中古に比べて価格が高め
- 実物を見ずに購入するためイメージと違うこともある
- 引き渡し時に中古ではかからない修繕積立金や管理組合準備金がかかる
中古マンション
中古マンションとは、一度でも人が入居したことがあるマンションです。新築マンションと比べて価格が安いことが大きなメリットですが、築年数による設備や耐震性の不安などもあります。
メリット
中古マンションのメリットとしては、次のようなものがあります。
- 新築マンションと比べて価格が安い
- リフォームがしやすい
- 現物や管理状況を確認できる
- 近隣の居住者の様子を確認できる
デメリット
一方、デメリットとしては、次のようなものがあります。
- ローンを組むうえで不利なことがある
- 耐震性やセキュリティへの不安
- 設備やデザインの陳腐化
- 不動産会社に仲介手数料を支払う
投資用マンション
投資用マンションとは、所有者が家賃収入を得る目的で第三者に賃貸するマンションです。資産形成の手段として購入され、マンション投資の一種として知られています。
メリット
投資用マンションのメリットとしては、次のようなことが挙げられます。
- 低いリスクで長期間にわたってリターンが得られる
- 空室リスクを削減できれば安定性の高い不労所得が得られる
- 立地の良いワンルームの物件が多いので、比較的長期の空室が出づらい
デメリット
一方、次のようなデメリットがあります。
- 空室リスクがある
- 家賃滞納のリスクがある
- 金利変動のリスクがある
- 物件価値の下落リスクがある
- 管理費や修繕積立金が増加する可能性がある
留意点
投資用マンションの購入と運用には、次のような点に注意する必要があります。
- 物件選びに失敗すると赤字になる可能性がある
- ローン借主の属性よりも、不動産の収益性を重視して審査される
- ローンを取り扱う金融機関が限定されている
特に投資用マンションは、メリットとデメリットを理解した上で適切なリスク管理を行うことが大切です。また、投資用マンションの購入には、不動産投資ローンと呼ばれるビジネスローンを利用します。住宅ローンと異なり、金利が高く審査が厳しいのが特徴です。
マンションの購入
購入のポイント
- 年収とのバランス:住宅ローンを利用する場合、年収の5~7倍程度が目安とされている
- 自己資金:頭金や諸費用を準備する必要がある
- 立地条件:アクセスや周辺環境を考慮する
- 管理状況:管理費や修繕積立金も考慮する
- 将来性:売却時の価値や、リフォームの可能性も考慮する
購入時の注意点
- 初期費用:手付金、仲介手数料、登記費用、保険料などが必要となる
- 住宅ローン:金利や返済期間、返済額を考慮する
- 管理費・修繕積立金:月々の費用や将来の修繕計画を確認する
- 契約内容:重要事項説明書や売買契約書をしっかり確認する
購入に関する情報源
- 不動産情報サイト:HOME4U、SUUMOなど
- 不動産会社:専門家のアドバイスを受ける
- 金融機関:住宅ローンの相談をする
- マンション購入に関する書籍やセミナー:知識を深める
まとめ
マンションとは、複数の住戸が集合した建物のことです。一般的に、鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造で作られ、高層化しやすいのが特徴です。マンションは、周辺環境や共用施設の利便性を重視したい、手間をかけずに快適に長く住み続けたいという人に適しています。
また、分譲マンションと賃貸マンションがあり、それぞれ購入や賃貸の選択肢があります。新築マンションと中古マンションの購入には、購入時の流れや手続き、購入前後にかかる費用などが異なりますので、注意が必要です。中古マンションを購入する際は、新築と中古のメリットと注意点を比較しながら検討することが重要といえるでしょう。