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査定の基本⑲ 不動産の価格形成:基本的なメカニズム

不動産の価格形成

不動産の価格は、様々な要因が相互に影響し合って形成されます。一般的に、価格形成要因は「一般的要因」、「地域要因」、「個別的要因」の3つに分類されます。これらの要因を分析することで、不動産の価格を評価することができます。

価格形成の要因

1. 一般的要因:

  • 自然的要因:地形、地盤、気候、周辺の自然環境など
  • 社会的要因:人口、世帯構成、ライフスタイル、教育環境、交通網など
  • 経済的要因:物価、金利、税制、景気動向、所得水準など
  • 行政的要因:土地利用規制、建築規制、都市計画、インフラ整備など

2. 地域要因:

  • 不動産が所在する地域の特性(用途地域、商業地域、住宅地域など)
  • 地域の人口密度、交通アクセス、周辺環境、商業施設、公共施設など

3. 個別的要因:

  • 土地の形状、面積、地盤、接道状況、日照、眺望など
  • 建物の構造、築年数、設備、間取り、デザイン、状態など
  • 敷地の状況、接道状況、利用状況など

不動産の価格

不動産の価格には、公示地価、路線価、固定資産税評価額などの公的土地評価と、実際に取引された価格である実勢価格があります。

  1. 公示地価︰役所や図書館などで閲覧することができる
  2. 路線価︰路線価図で確認することができる。路線価図の道路上には「150A」などの表記があり、これはその路線に面する土地1平方メートルあたりの価格となる
  3. 固定資産税評価額︰個々の土地については公開されていないが、毎年4月頃に固定資産税台帳の縦覧制度があり、毎年市町村から送られてくる納税通知書でも確認することができる

不動産の価格を調べるには、不動産鑑定士による不動産鑑定と不動産会社による不動産査定の2つの方法があります。各々の状況に合わせて検討するのが望ましいといえるでしょう。

不動産の価格決定

不動産の価格決定の手法には、取引事例比較法、原価法、収益還元法などがあり、適切に組み合わせて適用されます。

  1. 取引事例比較法︰過去に似た条件下で売買された物件の取引情報を元に、1平米当たりの価格を決定する。査定マンションと立地などが似た成約事例を選び、その取引価格から査定価格を求める
  2. 原価法:土地の価格と建物の積算価格を足して算出し、詳しくは、再調達単価、延床面積、耐用年数、残存年数などの値を計算式に代入して査定額を計算する。土地の価格は、購入時の契約書や周辺エリアの相場、取引実績などが参考になる
  3. 収益還元法︰当該の不動産から生み出されるであろう利益から、その不動産の現在の価値を算出する

その他にも市場調整率の考慮し、市場性に影響する特別な要素がある場合は、「市場調整率」を乗じて最終的な査定価格を決定します。

不動産価格への影響

これらの要因は、それぞれが不動産の価格に影響を与えます。例えば、駅に近い立地や、周辺に商業施設や公共施設が充実している地域は、一般的に価格が高くなる傾向があります。また、地盤が強い土地や、日当たりが良い土地も、価格が高くなる傾向があります。

価格形成のプロセス

不動産の価格は、これらの要因を総合的に考慮して決定されます。不動産鑑定士は、これらの要因を分析し、不動産の価格を評価します。

不動産売買における注意点

不動産を売買する際には、これらの価格形成要因を理解し、適切な価格で取引することが重要です。不動産会社による査定や、不動産鑑定士による鑑定評価を参考に、慎重に価格交渉を行うことが望ましいです。

まとめ

不動産の価格は、常に変動する可能性があります。市場の動向や、周辺の環境の変化などによって、価格が上昇したり、下落したりすることがあります。
不動産価格の評価には、専門的な知識や経験が必要となります。不動産会社や不動産鑑定士に相談し、適切なアドバイスを受けることが大切です。

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