不動産査定の種類
不動産査定には、
次のような種類があり、それぞれ特徴が異なります。
1. AI査定(匿名査定):
メールアドレス以外の個人情報は不要で、簡単に査定額を確認できます。AIによって機械的に算出するため、査定の精度は高くないのが特徴です。
2. 机上査定(簡易査定):
不動産会社がデータや情報に基づいて査定額を机上で計算します。査定結果を早く得られるのが特徴ですが、査定価格は現場調査されていないため、実際の売却価格との差が生まれやすいというデメリットがあります。
3. 訪問査定:
不動産会社の担当者が実際に物件を訪れ、詳細に調査した上で査定額を算出します。精度が高いのが特徴ですが、1週間~2週間程度の期間を要します。
4. 不動産鑑定:
不動産鑑定士が不動産鑑定評価基準に基づき、現地調査を行った上で評価します。鑑定評価額は信ぴょう性の高い公的なものとして扱われるため、遺産相続などでは鑑定評価が求められます。
不動産査定は、自宅の売却や買い替えの検討をするときに、「売却できそうな価格」を不動産仲介会社などに算出してもらうことです。
不動産査定の比較
不動産査定の比較とは、
複数の不動産査定会社から得られた査定結果を比較検討することです。
不動産査定では、査定価格の根拠を明確にして、信頼できる不動産会社を見極めることが大切です。
不動産査定の比較においては、
次のような点に注意しましょう。
・査定価格の根拠を確認する 査定価格が高い不動産会社に依頼したいのは当然ですが、査定価格=成約価格とは限りません。査定価格の根拠を明確にして、正当な結果を提示している不動産会社を見極めましょう。
・査定価格に差が出る原因を理解する 同じ不動産であっても、査定会社によって査定価格に差が出るのは、マニュアルや参考にする販売実績が異なるためです。
・査定額の高い業者を選ぶのではなく、信頼できる業者を見つける 査定額の高い業者を選ぶのではなく、不動産を良い条件で売ってくれる業者を見つけることが重要です。営業マンの対応や広告の分かりやすさなども確認しましょう。
また、不動産査定では、
取引事例比較法という方法が広く用いられます。
取引事例比較法は、不動産鑑定評価の1つで、不動産の価格を査定する最も基本的な方法として用いられています。
この方法では、周辺の類似物件の過去の取引事例を基に、査定価格を算出します。類似性が高く、新しい事例を用いるほど精度の高い査定結果が得られるため、取引実績の豊富な不動産会社に依頼するのが重要です。
取引事例比較法の具体的な手順は次のとおりです。
① 対象物件と条件が近い取引事例を収集する
② 必要に応じて事情補正や時点修正をする
③ 地域要因と個別的要因を比較して査定額を算出する
この方法では、物件の立地、広さ、築年数、駅からの距離など、さまざまな要素を考慮に入れて比較します。
市場に流通する物件が多いほど、その地域の不動産価格の動向を正確に反映できるため、都市部のマンションや住宅地の一戸建てなど、多くの取引事例が存在するエリアで効果を発揮します。