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専門知識⑦ 接道義務の基礎:建築可能性の判断

接道義務の基礎と建築の可能性

接道義務(建築基準法第43条)とは、建築物を建てる際に原則として「幅員4m以上の道路に2m以上接していなければならない」という規定です。

これにより、敷地が適切な道路に接していることを求め、消防・救急などの安全性や生活環境を確保します。

日本の建築基準法に基づくもので、土地の開発や建築を行う際には、一定の条件を満たす必要があります。

接道義務の主なポイントは、以下の通りです。

1. 接道義務の概要

・接道義務は、土地が道路に接することを求める規定

これにより、道路を確保し、火災や緊急車両のアクセスが確保される

・通常、接道の幅は4メートル以上が求められるが、地域や用途により異なることがある

2. 接道義務の要件

・接道の幅員︰

道路の幅が4メートル以上でなければならないことが一般的

4メートル未満の場合でも、特定の条件下で例外が認められる場合がある

・道路の位置︰

道路が市街化区域内であることが通常必要

農地や未開発地に接する場合は要件が異なることがある

3. 接道義務を満たさない場合

・接道義務を満たさない土地は、建物を建てることができない

ただし、例外として「再建築不可の土地」として扱われる場合があり、特殊な条件下では建物を建てることが許可される場合もある(例えば、既存の建物がある場合)

4. 建築可能性の判断

・土地が接道義務を満たしているかどうかを確認するためには、土地が接する道路の幅員を測定し、都市計画や地方自治体の規制に従う必要がある

・土地の形状や他の規制(例えば、用途地域や容積率など)も考慮に入れる必要がある

5. 接道義務を満たしていない場合の解決策

・敷地の一部を道路として提供する︰

特定の土地が道路に接していない場合、隣接する土地所有者との合意で接道を確保する方法がある

・接道義務の緩和を申請する︰

条件を満たす場合、特例を認めてもらうために申請を行うことができる

接道義務の注意点

接道義務について、以下のようなの注意点もあります。

1. 道路の種類を確認する

すべての道が「建築基準法上の道路」ではありません。以下のような道路が対象になります。

・法42条1項1号道路(公道・都市計画道路)

・法42条1項2号道路(開発行為で作られた道路)

・法42条2項道路(セットバックが必要な道路)

幅員4m未満の「みなし道路」や私道には制限があるため、事前に自治体の確認が必要です。

2. 接道義務の2m以上を満たすか

・敷地が道路に2m以上接していないと、原則として新築や再建築ができない

・旗竿地や間口の狭い土地を購入する際は、接道部分の長さを必ず確認する必要がする

3. セットバックの有無

・幅員4m未満の「法42条2項道路」に面する場合、**道路中心線から2m後退(セットバック)**する必要がある

・セットバック部分は建築不可となるため、土地の有効面積が減少してしまう

4. 例外規定を活用できるか

・建築審査会の許可(法43条但書)を受けることで、一定条件のもとで建築可能になる場合がある

・位置指定道路や43条ただし書き道路の場合、接道義務が緩和されることがある

5. 私道の利用制限に注意

・所有権の確認:

私道の場合、通行・掘削の権利が制限されていないか確認が必要

・掘削許可:

水道・ガスの引き込み工事ができないケースもある

まとめ

接道義務は、土地開発や建築を行う上で非常に重要な要素となります。

土地を購入する際に、接道義務が満たされているかを各自治体の建築指導課等で確認することが大切です。

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