ピックアップ記事
査定の基本⑩ 売却時期の分析 不動産売却のベストタイミング:市場動向の見方

売却時期の分析

不動産の売却時期の分析とは、市場の状況を分析して売却に適した時期を見極めることです。

不動産売却のステップ

不動産を売却する際は、次のステップを踏むとよいでしょう。

① 市場状況の分析

② 信頼できる不動産エージェントと相談し、具体的な売却プランを策定する

③ 物件の価値を最大限に引き出すためのリフォームやホームステージングなどを検討する

④ 適切なタイミングで売却活動を開始する

見極め方

不動産の売却時期を見極めるには、売却したい時期の半年前に余裕を持って準備しておくことが重要です。

不動産の売買契約に至るまでには、少なくとも半年〜1年程度の期間がかかるためです。

また、一般的に土地が高く売却できるのは、建物付きの場合は1月から3月、建物がない更地の場合は1月から3月より少し早い時期が狙い目です。

不動産の売却のベストタイミング

不動産の売却のベストタイミングは、次のような要因を考慮して判断します。

・時期

・価格相場

・住宅ローンの金利

・相続の有無

1. 時期

一般的に、不動産の売却が盛んな時期は2~3月と9~10月です。

これは、新年度や企業の決算期に伴う引越しが多いためです。

2~3月頃に売却する場合は、11~12月頃から準備を始めるのがよいでしょう。

2. 価格相場

価格相場が上昇している場合は、より高い価格で売却できる可能性があります。

相場が右肩上がりで価格が上昇している場合は、さらに値上がりするまで待って売った方がよいでしょう。

3. 住宅ローンの金利

住宅ローンの金利が低い場合は、利息が少なく総返済額を抑えられるため、購入者目線で考えるとローンを組みやすくなります。

ただし、住宅ローン金利の低さは不景気を表しているため、購買意欲が高い時期とは言い難いという注意点もあります。

4. 相続の有無

相続した不動産を売却する場合は、相続から3年10か月に限って適用される「取得費加算の特例」を利用できるため、早めに売却するのがよいでしょう。

不動産売却の市場動向

不動産売却の市場動向とは、不動産市場全体の状況や動向のことです。これには、不動産の価格変動、需要と供給のバランス、金利の動向、景気の影響、法規制の変更などが含まれます。これらの要素が組み合わさることで、不動産の売買に影響を与えます。

市場動向

不動産売却の市場動向は、次のとおりです。

法人間の不動産売買額は、2023年度は前年度比15.4%減の3兆8512億円と、2年ぶりに減少しました。

東京都23区における中古マンション売却価格の相場は、年々上昇傾向にあります。2013年の売却価格は3,390万円でしたが、2018年には4,479万円、2022年には5,776万円となっています。

一戸建ては、2020年まではほぼ横ばいとなった後、2021年ごろから徐々に上昇傾向となっています。

国税庁が発表した2024年の路線価によると、標準宅地の変動率は全国平均で前年比プラス2.3%と3年連続の上昇となりました。

「ニッセイ基礎研究所」によれば、2024年上半期の国内不動産取引額は約3.5兆円で、前年同期比でほぼ横ばいの水準を維持しました。

重要性

不動産売却を成功させるためには、市場動向を把握することが不可欠です。

市場動向を理解することで、以下のことが可能になります。

適切な売却時期の判断

不動産の価格は市場の状況によって変動するため、最適な売却時期を見極めることが重要です。例えば、需要が高まる時期や景気が良い時期に売却することで、より高い価格での売却が期待できます。

適切な価格設定

市場動向を把握することで、適切な価格設定が可能になります。相場とかけ離れた価格設定は、売却の遅延や機会損失につながる可能性があります。

交渉力の強化

市場動向を理解していることで、購入者との交渉を有利に進めることができます。例えば、売り手市場であれば、強気の交渉も可能になります。

リスク管理

不動産市場の変動は、価格の下落や需要の減少など、リスクを伴う場合があります。市場動向を把握することで、これらのリスクを事前に予測し、対策を講じることができます。

把握する方法

不動産情報サイトの活用

不動産情報サイトでは、物件の価格や成約事例、市場の動向などを確認することができます。

不動産会社の情報収集

不動産会社は、市場の専門家として、最新の市場動向や相場情報を提供してくれます。

専門家の意見を聞く

不動産鑑定士や弁護士など、不動産に関する専門家から意見を聞くことで、より深い情報収集が可能です。

ニュース記事やレポートの確認

経済ニュースや不動産関連のニュース記事、レポートなどを確認することで、市場全体の動向を把握することができます。

市場動向の例

景気の影響

景気が良いと不動産需要が増加し、価格も上昇する傾向があります。

金利の影響

金利が上昇すると、住宅ローンの負担が増加するため、不動産需要が減少する可能性があります。

人口動態の影響

人口が増加している地域では、不動産需要も高まる傾向があります。

法規制の影響

建築基準法の改正や税制の変更など、法規制の変更は不動産市場に大きな影響を与えます。

これらの情報を総合的に分析することで、不動産売却の市場動向を把握し、より有利な条件での売却を目指すことができます。

問題点

不動産市場に関連する問題としては、次のようなものがあります。

・建築従事者の労働時間の規制による人件費の上昇

・建築資材等を運搬するドライバーの労働時間規制に伴う運送費の上昇

まとめ

不動産売却は、人生における大きな決断の一つです。事前にしっかりと情報を集め、専門家と相談しながら、後悔のない選択をすることが大切です。

また、不動産売却のタイミングは、個々の状況や市場動向によって異なります。複数の要素を考慮し、不動産会社と相談しながら、最適なタイミングで売却活動を始めましょう。

自分で判断するのが難しい場合は、信頼できる不動産会社に相談するとよいでしょう。

おすすめの記事